第1席。「静夜」は、ひと画のなかに夜の気配を収めた作品です。墨はにじませず、線の始まりと終わりだけがわずかに呼吸しています。 筆を置くまでの間(ま)も、この席の一部です。会場の灯が弱いほど、紙の白がはっきりと残ります。耳を澄ませば、紙をわたる筆の音が聞こえてくるかもしれません。